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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.5
レディース & ジェントルメン!次は…
スティーヴィー・ワンダーのドラム演奏から始まる本作 --- こんなに凄い出来事が50年も日の目を見ずに埋もれていたなんて。
69年、ウッドストックから100マイル。ブルース、ゴスペル、ジャズ、ここには様々な音楽があり、そのどれもに確かな"魂"ソウルが宿っている。悲しみ、信仰、痛みやトラウマ、黒人の歴史・歩みがあらゆる感情と共に鳴っては、物語り共鳴する。体が思わず動き出すように自然と心揺さぶられる。ステイプル・シンガーズ、マヘリア・ジャクソン、心に残るパフォーマンスの数々。知ってるアーティストも知らないグループも、どのミュージシャンたちも誠心誠意全力のパフォーマンスで5万人の観客と結びつく。そこに上下はない。あるのは確かな共感と盛り上がり、そして社会的意義。ニグロじゃなくてブラック。
日々生きるので精一杯なハーレムの黒人に、月に行ったことなんて関係ない。昨今のBLACK LIVES MATTERにも共通する危機感と変革の意志、声を上げる告発。もっと高く!スライ&ザ・ファミリー・ストーンやっぱり格好良すぎ。タイトル通り、一夏のあいだ何週にもわたって週末行われたこのイベント、何より無料というのもスゴい。まさしく市民のため。もしも今タイムトラベルできるならハーレム・カルチュラル・フェスティバル見に行きたい。
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