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ももいろそらを カラー版のnamのレビュー・感想・評価

ももいろそらを カラー版(2020年製作の映画)
3.7
「冷めた目線で世間を俯瞰してた女子高生のちょっとした成長」

「恋は光」や「殺さない彼と死にたい彼女」の小林啓一監督の長編デビュー作。オリジナルは2013年にモノクロで公開され、本作はそのカラー版。

モノクロは未見ですが光の淡さや色の使い方などカラーの方がよいのではと思うくらい綺麗な画作りでした。

新聞や世の中の事件に採点だけをして、世の中を達観したような気でいた女子高生が30万円の財布を拾った事で起きる出来事を通じてちょっとだけ世間を知って、ちょっとだけ成長する青春ストーリー。

デビュー作だったり、キャストの方も若かったりと演技や会話も直近の作品と比べれば荒削りに感じる部分はありましたが独特の会話演出など今にも通じるものもありました。

さらにストーリーもまるで落語のようなまとまりがあるオチもとても好きでした。実際に落語家の桃月庵白酒が冒頭と終盤で出てくるシーンはより言い回しなど含め落語ぽくてよかったです。
その前後での彼女の変化というのがいい対比になっているのがまたよかった。
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