ユーライ

ベネデッタのユーライのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.2
マジキチヴァーホーベン先生待望の新作はまさかの百合姫掲載で、しかし案の定『ささやくように恋を唄う』ではなく『彩純ちゃんはレズ風俗に興味があります!』の方だったという感じだ。繊細さとは遠いところにある。それなのに、ムードもへったくれもない連れウンチ(SE付き)をした後「貴女綺麗よ」「本当?」「私の瞳に映ってる」「もっと近くで見て」みたいな激エモ会話が出てくるから分からない。共同脚本でクレジットされてるからここら辺も書いてたりするのか。恐ろしい爺さんだよ。ベネデッタはキリスト教を支えるシステムのろくでもなさを看破する存在ではあるが、内面が描かれることはない。こういった自動的なヒーローの心情に寄り過ぎないバランスは『ロボコップ』と同じ。依存する対象がたまたまイエス様だっただけの夢女子のようにも見える。信仰を利用ししたたかに生き、結果的に狂人である女の一生を否定しないのが実にらしい。勇気を貰えます。
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