はる

ベネデッタのはるのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.5
なんとなくお堅い小難しい映画なのかな?と想像していたんですが、ヴァーホーヴェン節が炸裂しまくりのエンタメで最高でした!

幼少時代のベネデッタが修道院にやってきた冒頭でやたら金にがめつい修道院長のくだりから笑わせて貰い、それからもコンスタントにインパクトを放り込んでくるので退屈する間が全然ありません。

ベネデッタの自分と神を狂気的にまで信じるマインドに魅入られる130分で、やってる事は修道院長の座を奪い取って大きい個室をゲットして肉欲三昧なわけですがそこに悪意が感じられないのが面白いんですよね。嘘をついてそれがバレて、色々と愚かさも露呈しながらも最終的に勝つ!という点と音までリアルなかわやのシーンや熱湯に手を突っ込む、マリア像ディルドに苦悩の梨の拷問など人間の肉体とその反応について描いた描写が非常に多いところがいかにもヴァーホーヴェンらしさに溢れていて良いですよね。

シンプルにメロドラマとしても見れるうえ政治という枠の中での宗教についても描かれ、重層的な楽しみ方が出来る作品に仕上がっていて、これを80歳を超えて作ってしまうヴァーホーヴェンのヤバさを痛感させられる一本でした!
はる

はる