ノラネコの呑んで観るシネマ

明日に向かって笑え!のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)
4.3
2001年のアルゼンチン経済危機の最中、農協設立のためのドル資金を悪徳弁護士に騙し取られた田舎町の庶民たちの、愉快痛快な勧善懲悪復讐劇。
傑作「瞳の奥の秘密」の主演リカルド・ダリン、脚本エドゥアルド・サチェリのコンビの再タッグ作で、さすがに面白い。
意外な場所に設置された警戒厳重な金庫から、いかにしてドルを奪還するのか。
某ハリウッド映画とは違って、敵はセコいクソ野郎が一人で、味方も犯罪とは無縁の素人集団。
舞台もど田舎なので、熾烈なはずのコンゲームもアナログでどこか牧歌的。
とは言っても「おしゃれ泥棒」オマージュの敵を疲弊させる作戦などは、結構考えられていてなるほどと思わせる。
「瞳の奥の秘密」ほどではないが、南米独特の社会性、時代性のバックボーン、ビターさを混ぜ込んだオチも、作品の世界観をユニークなものにしている。