このレビューはネタバレを含みます
人のためを思って行うことが相手のためにならない、むしろ逆鱗にふれてしまうようなことは、多々あり得る。
日常でも自分が理解できない行動をしている(ようにみえる)人をみると、怖い、距離を置こう…となることは良くあることだと思う。
しかし、自分自身も他者からみれば、そのような行動をとっていることがあるのではないか。
家族に決定的な亀裂を入れてしまうあみこの行動も彼女を通して映画=世界をみているから、なぜその行動をするのか理解できる。しかし、急にあれをみせつけられると精神的に崩壊してしまいかねないというのも理解できる。(しかもそれまでの関係があまり良くなかっただけに、嫌がらせかと思っても仕方ないだろう…)
つまり、人は主観的=みたいようにしか世界を認識できない。
(この映画でのそれは母親のホクロに象徴されていると思う。)
最初のたたみに汁がビチャビチャおちて、と握りしめたとうもろこしを映すシーンは後の大きな事件と重なっていると思う。
その後のみかんをなげて落ちてこない?あれ
?となってすぐの電気が消えてハッピーバースデーの歌…など絵的な演出も上手だし、音の演出もとてもうまい。
だから、何回もみる楽しみがある映画だとは思うが、なかなかキツそう…
ラストは希望が見えるようなエンディングだと思った。