菜南子

こちらあみ子の菜南子のネタバレレビュー・内容・結末

こちらあみ子(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

少し風変わりな少女あみ子とその周りの人の物語。平和に穏やかに暮らしていたあみ子とその家族だったが、母が流産し、周囲があみ子に裂ける心の余裕を失った頃からがたがたとアルゴリズムは崩れていってしまう。

あみ子は俗に言う発達障害のような性格を持ち合わせている。彼女だって気遣っていると言葉にしたい。想いを伝えたい。彼女の精一杯の優しさや気遣いは裏目に出て、特異さばかり際立ち、怖がられてしまう。

本当は殴られた鼻の骨折も、あみ子が転んだと片付けられてしまう。父親にはもう、どうしたのと聞く余裕はない。あみ子は殴られたのだ。辿ればそれはあみ子のおせっかいのせいだが、それがあみ子の優しさだと父親にだけは理解して欲しいはずだ。

自分だってそういうことに遭遇することがあるが、血だらけのあみ子に声だけかける女性や、結局放置してしまう父親になってやしないかと思った。
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