よーすけカサブランカス

スティルウォーターのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

スティルウォーター(2021年製作の映画)
4.3
娘の無実を証明できるかもしれない証人を異国で探す、という中盤までの展開はバディムービーと言ってもいい。そうなると団地での場面は暴力による解決を期待してしまうが、それは我々があまりにハリウッドに毒されてしまっている。
「典型的なアメリカ人ね!」「トランプには投票した?」と言うセリフから、別に共和党的な男だけではなく男全体のマスキュリニティが浮き彫りにされる。
フランスでその不能をつきつけられた彼は出会った母娘との関係によってその傷を癒すことに成功する。幼いその子の良き父になることで娘の良き父になれなかった失敗を取り返すことにもなる。
でもサッカー場での……あれは、おいおいやめてくれ、とため息が出た。彼はまたもや間違ってしまう。
真相はともかく娘は帰ってくるが、スティルウォーターの景色は「何もかも違う」。染みる……
にしてもマヤにパパとは呼ばせず「いいアメリカ人」と呼ばせるのはかなりいい伏線だと思う。