大人を頼らざるを得ないか弱き子どもたちを守ることが出来ず、逆に苦痛を与える大人たちの身勝手な態度や行動がどれほど彼らの精神衛生に悪影響を及ぼし、そしてその後の人生に作用すものかと思うと、胸が詰まる。
自分と環境の異なる人に寄り添うのはとても難しい。自分にとって当たり前のことでも、他者にとっては全く当てはまらないこともある。その見極めは誰かに教えてもらえるものでもないし、分かったからといってじゃあどうしたらいいのか答えが湧いて出るものでもない。
四苦八苦しながら経験を積んで、少しづつ選択肢を増やしていくしかないのだろう。
本作で取り上げられている「保護司」という仕事は、たまに映画やドラマの中で見るものだが、私の生活圏で実際に見聞きした事はない。
国家公務員という肩書きで仕事内容も結構タフでかなりの拘束時間を強いられるものながら、報酬がないというのは日本社会の歪さを感じざるを得ない。せめて幾許かの手当でも給付できないものだろうか。
そんな環境でも志願して保護司になる方も実際にいらっしゃるというのは本当に頭が下がる思いしかない。
さて本作は有村架純がカワキャラを殺して臨んだ演技にやや驚いたが、いい女優になりつつあるなぁとの印象を持った。
個人的にはマキタスポーツのキャラがハマった。
若葉竜也は良さを生かしきれてなかったように思った。シルバーヘアーが似合ってなかったのも残念。
森田剛の演技は初めて目にしたが、他の作品も見てみたくなった。熱血刑事役とかも似合いそうだと思うのだが。
