ソウル世界の色使いが柔らかく、キャラクターのタッチも可愛らしくて一見ソフトな印象だが、ストーリーはかなり奥深い大人向けの作品だった。小さい子供には内容が難しくて理解が困難だと思われるので留意。
人生についてを語る上で、敢えて死の世界を引き合いに出しているところも大人向け。ピクサー作品は子供向けのアニメとばかり思っていたが、このテーマを手掛けるとは少し驚いた。
誰かが「生きてるだけで丸儲け」と言っていたことを思い出したが、そう感じられる人はきっと日々の生活の中に幸せを感じているのだろう。夢や憧れを実現しても人生は変わらず続いていくし、夢を叶えた後の人生が惰性になり魅力も幸せも感じられないのなら残念な人生と言えるかもしれない。
本作ではそれよりもまず、日々の生活の中でささやかでも幸せやら生き甲斐やら喜びを感じられるのなら、それでいいんだよと教えてくれる。
深いじゃないか…
本作の監督の前作「インサイド・ヘッド」も見てみたくなった。
