butasu

ディア・エヴァン・ハンセンのbutasuのレビュー・感想・評価

1.5
楽曲と歌唱は本当に最高。素晴らしかった。ただストーリーがあまりに無理。登場人物は全員、自己中心的で自己陶酔が強く、誰にも一切感情移入が出来ない。

特に主人公エヴァンの「自殺したコナーと親友だった」という本作のメインである嘘が本当に無理。あれは決してコナーの両親への優しさからでた嘘などではなく、ただ自分への攻撃を防ぐため、保身の為の嘘でしかない。百歩譲ってとっさに本当のことが言えなかっただけならまだしも、調子に乗ったエヴァンはそこからどんどん能動的に嘘を生み出していく。主人公が幼児ならまだ可愛らしい話だが、高校生にもなってアレは全く許容できない。最低。コナーの妹であるゾーイがこいつと付き合うのもマジで意味不明だし、こいつの軽薄なスピーチ(という名の歌)に全員が心を動かされる展開も白々しい。ミュージカル映画でありがちな、過度な物語的説得力を歌だけに任せている典型。反省しました、みたいな感じで呆気なく終わっているが、正直もっと痛い目にあってくれないと全然納得がいかない。

ミュージカル映画なので尺も長く、不快なだけの140分弱は本当にしんどかった。
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