矢吹健を称える会

ステキな金縛りの矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

ステキな金縛り(2010年製作の映画)
1.6
 なんか新作がメチャクソに叩かれてるらしいじゃないですか三谷幸喜。それでふっとこの映画のことを思い出した。学生のときに女の子と見に行った映画である。
 古畑のビデオCDをシンガポールで買って死ぬほど見たり『12人の優しい日本人』を学内新聞でおススメするなどしてきたおれだが、三谷幸喜が監督した作品に関しては完全にノータッチでそれまで過ごしてきたので、かなりニュートラルな状態で見た。で、びっくりした。メチャクソつまらなかった。貧乏ゆすりや歯鳴らし(精神的につらい時にやってしまう)などでずいぶんほかの観客に迷惑をかけたと思う。およそ2時間半頑張って耐えて、劇場のあかりが点いた瞬間に「バチクソ映画やんけ」の「b」の音を発声する寸前に女の子の満足げな笑顔に気づいた。そのあと喫茶店に行って、映画がいかに面白かったかという話を聞きました。辛かったです。

 およそ1年後、妹から「そういえばこのまえ『ステキな金縛り』を見てさァ……」と切り出されたときは、まじまじと彼女の顔を観察してから「深津絵里が可愛かったよね」と穏当な感想を述べてその場を収めることに成功した。大人への道のりを一歩ずつ登っていきたい。