こんなに何もしない主人公がかつていただろうか？
モンスターに突然変異するラーメンマンヘアの謎のカルト教団とギャング、ボンテージコス、巨大チョウチンアンコウ、そして最後は陽気なカントリーソングを奏でる田舎ヒッピー達との壮絶な修羅場とカオスが繰り広げられるトンデモナイ怪作。
コンチクショウめ〜♪な愉快な田舎者ソングとうんこ爆破で新たな田舎ホラーの境地を開拓した『インブレッド』のアレックス・シャンドン監督の初期作。
のっけから変異したワニ頭のウルヴァリンみたいな3本爪付けたモンスターが暴れ回り、四肢という四肢を切断するというホラーに始まり、ギャングとのバトル、そっからコンチクショウめ〜な田舎者とゾンビとバトルになだれ込む3幕もあると言う36分の短編ながらこの頃から基地外じみたパワフルさを遺憾なく発揮している。とりあえずすげぇもんみたよ。
特にこぞってラーメンマンみたいな頭のカルト教団とムチ打ちながら戦うボンテージコスのおっさんそして突然変異したキバキバしい巨大チョウチンアンコウが所狭しとボコり合う終盤は最早カオス以外の何物でも無くて、もぅこんな荒唐無稽な展開この頃からよく思いつくよな。と素晴らしいポンコツさに『インブレッド』の血がこの頃から通っているわけさ。
扇風機で顔面ぐちゃどろやちん子をハサミでチョッキンするゴアもあり、皿投げて顔面にめり込んで死ぬ映画とか、斎藤工の『あ！お皿に首が乗っている！』の先取りやなぁ
兎にも角にもずっと家のクローゼットに隠れているだけのポンコツ主人公と田舎オヤジの肩組みで終わる和気藹々のラストに全てを許せる傑作やったでぇ！
