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ONODA 一万夜を越えてのMrsフロイのレビュー・感想・評価

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
3.4
フランス人監督のフランス映画。間違いなく日本人の感覚では無い。(実際にはフランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、日本の国際共同製作)

1974年帰国までルバング島で一人太平洋戦争を戦っていた小野田少尉。日本人が未だに描けない現代日本という国。
原爆投下に至るまで戦争を止めなかった国の一兵士は、決して狂気では無い同胞なのだ。

小野田少尉は戦争の終結を知らなかったと言われ、上官の命令が無ければ一切の行動を変えない事が、戦後30年に及ぶ密林での潜伏という彼の特異な行動に繋がったとされている。が、当時軍隊に応召した日本人はほとんどの場合彼と同様の思考だったのではないか。

アルチュール・アラリ監督の『汚れたダイヤモンド』を見逃してしまい、その後DVD化もされず残念に思っていたところ、この作品で驚かされた。全編日本語で日本人俳優が演じ、当に日本人の肝とも言える題材。
監督はインタビューで「宝島」の様な冒険映画を撮りたかったと言っている😮
これは日本人には言えない台詞。

日本人製作で同じ題材で作られたドラマやドキュメンタリーを観ると、その違いを感じるのは私が昭和生まれのせいかも知れない。現代の若者が観るとまた違った感想を持つことだろう…
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