mike

ガンパウダー・ミルクシェイクのmikeのレビュー・感想・評価

4.5
シンプルすぎる物語で、ストーリー運びもちょっとちぐはぐだったりするんだけど、それでも最高ポイントだらけで加点してもしきれないくらいだった。正直、ド頭の母娘が向かい合ってミルクシェイクを飲むシーンからもう感極まってしまった。父子だと殺したり乗り越えたりしなければいけないのが「物語」だけど、この映画は母娘を相棒にしてしまう。

180cmの女殺し屋、中年女性主体のキャスト、ゆとりあるパンツルックでもかっこいい衣装(スカートや制服は偽装!)、民主主義による動議可決、家父長制や復讐の連鎖を次の世代に残さない、力技でも男に勝つ、そしてレジェンド ミシェル・ヨーのうつくしい斜め後ろ顔ーーー!

「女こども」で括られなめられてきた「子ども」をめちゃくちゃ対等に扱っているのも良かった。カーラ・グギーノの"Can you do that for me?"という頼み方には思わず泣いてしまった。

なにしろ図書館が女たちのセーフスペースかつ武器庫で、『自分ひとりの部屋』に銃が隠されているなんて!実際にスクリーンに映し出されているのを観たら、その何重もの意味にぶん殴られて泣いた。

今までアクション映画での「女こども」の描かれ方のどこにストレスを感じていたかがよくわかる映画なので、逆に男性が観たらストレスを感じるのでは…という気もした。
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