ちいさな泥棒

L’Ilya〜イリヤ〜のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

L’Ilya〜イリヤ〜(2000年製作の映画)
3.5
無気力に支配された近未来。 自殺が"流行ってる"だけで処理される世界でその最期の瞬間をカメラで撮り発表するイリヤ。あるきっかけで自分のしていることへの信念が揺らぎ葛藤、はじめて感情が見える。死因ではなく"自殺した理由"を特定するための遺体解剖。こんな世界、絶対いやだ。

死体の運び方も見方も雑で口笛を吹きながらするんだけど「すいませんねぇ、自殺するひとが多いもんですからあんなのしか残ってなくて」って笑いながら話すのが胸くそ通り越して虚しすぎる。インタビューで発せられる言葉がしんどくて精神衛生悪いなとやめようかと思ったけど最後まで観てよかったです。

U-NEXTにあって38分だけどどっしり重みがのしかかってきて疲れました。観る人をかなり選ぶ。生きるのは勿論自殺することもかなりの勇気が必要だと思うのでそれをホイホイやれてしまうのって果たして本当に無気力なんだろうかとか本人にしかわからない本当の理由など色々と考えさせられるものもあった。