キャサリン

すべてうまくいきますようにのキャサリンのレビュー・感想・評価

3.4
フランソワ・オゾンの映画はプールサイドぶり。
憎たらしくてとても愉快。
こんな姿で生きたくないと思う気持ちには同情するも、尊厳死の予定が決まると生き生きしだす父親にやれやれ。
赤を着た娘に今日は綺麗だ、と言ってもなお死を迎えることをワクワクと待ち侘びる父親を見て、こちらの希望の薄さの淋しさ。

正直、尊厳死が良いことが悪いことか判断が難しいけど、他者の愛を受けて生を享受して、死を勝手に決めるのは身勝手にも感じてしまう。
だけど、やはり治療の末に、延命はしたくない、安らかに死を迎えたい、と考える気持ちもわからなくはない。
本人の幸せと周囲の幸せは、どうにもベクトルがズレちゃうなあ、とか。
オランダ映画の「人生はマラソンだ!」的な痛快感。
役者が皆とても良かった。
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