見たいと思ってたんだけどタイミング合わず、
はじめてキネカ大森まで足をのばしました。
しかし映画っていうのは本当にすごい。
こんな救いようのないクソ野郎がただただその場の快楽に浸って他の人を巻き込んで不幸にしてバカな夢を見てるってだけの話をおもしろく見れてしまうのだ。
本当によくこんな作品を作ろうと思ったな。
しかもこのテキサスの底辺な感じって
描こうとすれば本当に絶望的に描けるのに、
マイキーの底抜けの楽観とストロベリーの明るさが、
完全に悲壮感や社会性を覆ってしまってる。
これはフロリダプロジェクトと共通してるとこで、
この監督の持ち味とセンスなんだろう。
ストロベリーの小さい家とか夢みたいだし。
しかし本当に救いようのないレクシーの家と
ドラッグに溢れる退廃的な街のリアルはそこにあり、
とりわけレクシーがネットで自分の体を売って
子どもと暮らすこともできないという現実。
さらに婚姻関係があるにも関わらず、
私欲のみで決して寄り添おうとしないマイキーという男の最低さは、
そんなに簡単に目を背けられるものじゃない。
たぶんマイキーが見えてるからこそのキラキラ感なんだろうが、
ドラッグディーラー一家のコミカルさや
レクシーや母親が結局丸め込まれてく感じとか、
悲惨な現実の中にもコミカルさや欲望や
何よりも人間ぽさってのがあって当然で
そのバランス感が心地いいんだろうな。
大好きな作品となりました。
