実際に起きた無差別銃乱射事件を元に、犯行に至るまでを犯人の視点から描いた作品。
犯行の動機ついて実際には、いまだに語っていないそうなので、この作品に出てくる犯人像はたぶん監督の想像でしかないのだけど、
この映画と同様に、きっと彼も孤独に追い込まれて壊れてしまったのかな…
冒頭で流れる犯人が幼少期に受けたインタビューの実際の映像を見ると、この時点でなんとなく何らかの障害があるのかな?と思える。
母親の二トラムへの態度がすごく冷たく見えるから、その分父親が優しく思えるけど、この父親も優しいってよりは弱いだけなんだよね。なんか二トラムに対して諦めてると言うか…
ヘレンに銃の事で怒られた時、素直に謝ったりする姿を見たら、やはり接し方って大事だな。二トラムの両親も努力はしたんだろうけど、それが下手だったんだろうね…そして母親もすでに壊れてしまっていたのかも。
二トラムは理想の自分と、それに届かない自分へのギャップに苦しんでいて、それを母親に伝えるのに理解されない所も観ていて苦しい。
ラストに向けてヘレンが教えくれたチョップスティックのメロディが少しずつ狂っていくが怖かった。
この映画の終盤で二トラムが観ているニュースにスコットランドで銃乱射事件があった事が流れている。実際の犯人もこの1カ月後に事件を起こしているから、このスコットランドの事件が彼を刺激したのは間違いなさそう…。