Sasada

パリ13区のSasadaのレビュー・感想・評価

パリ13区(2021年製作の映画)
3.8
モノクロで紡がれる、なんてことない出来事の記録。
他者と出会う日があって、愛し合う日があって、世界に2人きりに思えてしまう日があって、知ってるはずのあなたが急に分からなくなる日がある。

何でもかんでもセックスに繋がる劇中の彼らとは全然違う生活を送っているけれどななぜか共感してしまうのは、生きることも愛し愛されることも諦めたくないからなんだと思う。

うまくいかないことばかりだし、自分の努力だけでどうこうなることなんてほとんどないけど、それでも満たされるその一瞬が確かにあるから。
すぐに断絶されてしまうとしたって、いまここでは間違いなく繋がっていると勘違いできちゃう幸せな日々を覚えているから。

代わり映えのない毎日を、くだらない仕事を、厄介な人間関係を、死ぬまでずっと。
そんな映画でした。出来は置いておくとしても、僕は好きです。
Sasada

Sasada