主人公と共に列車に乗り、静かに自分を見つめ直すことが出来るような作品。鑑賞後は少しホロ苦いような、それでいて爽やかな余韻に浸れた。
列車旅を通して主人公ラウラにとっては良い事と悪い事が少しずつあり、結局のところプラマイゼロくらいで物語は幕を閉じるのだが、それでも最後のシーンをみると、決して悪い旅ではなかったな……と思えた。
最初、ずっと眉間にしわが寄っていたラウラが、リョーハと触れ合う内にどんどん表情が柔らかくなっていくのが良い。極めつけが、雪の中でふざけ合う二人。ずっと寒々しい場面が続く本作であるが、胸の内が暖かくなった。