なると

コンパートメントNo.6のなるとのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
4.3
寝台列車の客室で見知らぬ男女の恋が発展していく話。

どこへ逃げるかではなく、どこから逃げるか。映画冒頭のイリーナの一言が彼女の心情を表してるのかと考えてます。
ラウラはイリーナの才への羨み、そして寂しさを感じ、逃げてるのでしょうか。直接的に言及はしないのですが、私はそう考えます。そして逃げた先からの彼女を成長させる出会い。

酒飲みで、非常に荒々しいリョーハ。あのような人が寝台列車で同じ部屋だと思うと、私もラウラと一緒で逃げます。ですが、彼はなにか子供っぽく、楽しさも感じまさ。
カメラが奪われた時、彼が放った言葉「みんな死ねばいいのに」。独特な言葉遣いで笑ってしまいましたが、彼の1つの魅力。

静かに恋が発展していく様がまたいい。
今思えば恋愛としては最悪の出会い→恋となるのでかなり急展開ですが、鑑賞中それを感じなかった。
それがこの映画の巧さであり、自然と感じる部分。
非常に心地の良い107 分でした。
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