富沢櫻子

コンパートメントNo.6の富沢櫻子のレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
3.9
旅は道連れ世は情け、名前のない関係は最高!猛吹雪のなか会話無くはしゃぐシーンがすべて"で良かった。

めずらしくfilmarksで解釈一致、乾杯!な
レビューばかりでついつい流し読みしちゃう〜。出だしのリョーハの言動が生理的に受け付けられず「こりゃ失敗したわ寝るコースかも」と思っていたのも束の間だった。極端な側面がフォーカスされがちな昨今だけど、人間は多面的な生き物だということを静かに思い出させてくれるし、希望を抱く。

ロマンチックと呼ぶにはあまりにも渋く、爪弾きだと信じて疑わない彼らのぎこちなさや、劣等感のシーンの連続で辛く苦いのに…終わってしまえば、やさしい爽やかさに癒されている。

他のユーザーの感想・評価

ルル

ルルの感想・評価

1.9

このレビューはネタバレを含みます

男があそこまで主人公に執着するのが分からない(一目惚れだとあんな感じになるのか?)のと、初対面時があんなのでも男を受け入れていく主人公が自分には考えられなくて関心が薄れていった。第一印象が最悪から始まる恋みたいな10代の恋愛ものがして自分には合わなかった。途中で別の男をつれてきた主人公も、それで不機嫌になる男も幼くて好みでない。
ラストの手紙も、普通に愛してると書かれていて「私と話したくて知らないフリしてたんだ」な微笑みの方が自分の好み。自分が教えた言葉が書かれていたのも当たり前で面白くなく、それを言われなくても男を見てたら彼女に好意持ってるの分かるじゃん、と意地悪な見方をするぐらい自分には合わない作品だった。
りほ

りほの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

打ち砕かれた時に、誰がに縋って話したくなるし、そこで話を聞いてくれた人のことを、好ましく思う気持ち

かえが聞く存在で甘く見られてるのがわかっていて
彼女の眼差しが好きだっただけだから、死ぬべきなのは私

知識人と鉱夫

最初のクソみたいな絡み方は、彼が職場に行くまでの楽しみ方?人が好き?でもスウェーデン語しか話せない彼とは仲良くならなかった。
見る目あるんだろうなぁ

新聞投げ合う

犬に連れられて素敵な経験をする、たまたま同室での素敵な経験の予期
「たまたま出会った人でも親切なことはある!と思ったらすぐ、不機嫌な同室人」

カメラを取られたやるせなさ。信じてたのに、、なお、彼のことがよく見える。

この場を楽しめれば良くて、連絡先なんていらない彼

恋愛関係になりたいわけではなく、

レセプションに、仕事で、とは言わず「事情があって」というわかってる彼女は、列車で整理できたよう

一緒に連れ添ってくれる彼

なんでそこに行くのかは理解できない、という様子だけど、そこに行きたい理由があるなら一緒に行ったるよ、っていう適度な距離感が良い

そしてまた日常に戻る

偶然の出会いに、空っぽの心が潤っていく過程が、彼女の心からの笑顔が、素敵な作品でした!

第三者だからこそ、の繋がれる形
mikan

mikanの感想・評価

3.8
🇫🇮から🇷🇺にやって来た女の子がひょんな事から一人ペトログリフを見に行く事に…寝台列車、相席の粗野な男とのロードムービー。
遠い距離と思い出に揺れつつ関係を育む彼女と男を暖かく繊細に描く。
どちらも不器用だし、気難しいところがあるけれど、なんとなく居心地が良い距離感が素適だった。もう一度見たい。
乗り物に載っているシーンが多く、見ている途中に少し酔ってしまったので、人によっては注意したほうが良いかも。
の

のの感想・評価

3.9

リョーハは粗い人に見えるけど、実際は心の素直なまっすぐな人なのだろう。
その真っすぐさが粗く見えてしまう。
不器用な感じがたまらなく良い。


最初の音楽の入りすごい好きだな
どういう人が中から出てくるのかなとかあの音楽と、ドアを開ける入りから想像が膨らんでワクワクする。
やっぱスタートの引きつけ方って大事。

ロードムービーで静かな分、音楽と雪景色がすごくよかった。
音楽もけっこうロックでパンクな感じで、心の叫びなのかな。
旅ってこうであるべきだよなあ
知らない人と相部屋になって仲良くなったり、そのままだったり、その状況を楽しめることが何よりも大事だと思う。

雪と寝台列車の物悲しい雰囲気の絵にポップミュージックがミスマッチなんだけど、そこがよかったなあ

このレビューはネタバレを含みます

せやろなーと思ったことがずっと起こって、メッセージ性も主人公の変化も予想の範疇から外れず……
終始せやろなーーってなってた笑
絶対好きな作品だと思ってたからちょっと残念、私が何か重要な要素を見落としてるのだろうか
それともイニシェリン島の精霊を観たばかりだったから意外性のハードルが爆上がりしているのか
NS

NSの感想・評価

4.2
主役の女性と大学教授の関係(特に旅に出てからの展開)がありきたりだなぁと感じた。

相部屋の2人が惹かれ合う展開は良かったし、ラストもとても良い。『ビフォア・サンライズ』のように、儚い出会いはやはり美しい。今の時代ではありえなくなってしまったからこそ、美しさが際立つ。
ななお

ななおの感想・評価

4.5
静かな映画、列車の音が心地良すぎて危なかった

リョーハの第一印象が悪すぎて、自分もこいつとか絶対ムリだ、、ってなったけど旅するにつれて違和感なく距離が縮まっていく感じがあっぱれ
旅行すると加速的に仲良くなる感じってありますね

窓からの日が差す場面がいくつかあって印象的だった
旅先の知らない景色って新鮮で美しくもあるけど、怖さも内包してるな、、など考えた

旅の思ったより上手くいかない感じもリアルでわかるわかる
金春色

金春色の感想・評価

4.0
こういう出会いがあるのが旅の醍醐味なのかもしれない。粗野で下品な男と不機嫌を隠さない仏頂面の女が道中を一緒に過ごすにつれ惹かれ合うが、というよくある最悪の出会いから恋愛感情を持つに至るも安易なハッピーエンドではなかったことにリョーハの誠実な人間性が表れているようで良かった。冒頭のパーティーシーンでのラウラの疎外感、居たたまれなさから逞しく魅力的になっていく過程も含めてちょっとした冒険譚の様でもある。厳しさと物寂しさを感じる海と岩場の風景にこの地で生きていく大変さを思う。雪の降らない地域に住んでいる自分としては吹雪の中をじゃれ合い寝転ぶ二人に驚き!
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3.9

三年前に誘拐された息子を追うロードムービーのようなものを予想していたら、事態はより複雑な展開へ。

ネタバレはしない方がいいと思うので観た人向けの補足でも書きます。

・ポンポンが誘拐された南山区は留
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

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“それ”が見えても、早々終わらない。

ジュブナイル・ラバーとしては、27年周期で再映像化した、という以上のロマンを感じるにはもう少しなにか欲しかったところ。エンド見たら感想も変わるのかも。

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2.5

設定がブック・クラブという時点で良い。逆に言えばそれ以外特に言うことはない。