のんchan

フラッグ・デイ 父を想う日ののんchanのレビュー・感想・評価

3.9
待ちに待っていたショーン・ペンの監督7作目を初日初回で鑑賞❗️
自身監督作品での出演は初。
また早くから話題を提供していたが、ダブル主演したのは実の娘ディラン・ペン(ロビン・ライトとの長女)で父娘共演🌟

ショーン・ペンの監督・出演作品は併せて全56作品。その内48作品鑑賞済‼️ほぼほぼ制覇🙌
(未鑑賞8本の内、7本はレンタル、配信不可作品😢あと1本はウディ・アレンのドキュメンタリーなので観る予定なし😒)

今年は力を入れてショーン・ペンを追って来ました💨
俳優になるべくして生まれ、つくづく才能の塊だと思うし、演技力、魅せ方、演出力、全てにセンスを感じ惹かれます✨

さて、本作の内容ですが...
ペンが15年もの間、構想を練って、どうしても実娘ディランに演じて欲しかったという作品。

1992年、アメリカ最大級の贋札事件の実話‼️
その犯人ジョンの実の娘であるジャーナリストのジェニファー・ヴォーゲルの回顧録が原作。


ジョンはフラッグ・デイ(国旗記念日)に生まれ、自分には何か特別な力があると思っていた。夢だけは大きいが現実は借金が膨らみ続ける。しかし娘にしたらワイルドで軽やかで、クラシック音楽に長けていて、いつでも楽しみを探しながら人生を謳歌しているように見える、そんは父親が子供の頃から大好きだった。
毒親と一言で言ってしまうと終わりになるが、娘と息子がいるのに長い間しょっちゅう居なくなる父親だった。
母親も去って行く夫ジョンを良く言わず、その後一緒に暮らすようになった男が、娘に色目を使い襲っても娘を庇わないような毒母だった。

母よりも父と暮らしたいと望む娘。娘の懸命な願いを裏切り続ける父。
あの環境で自力で大学へ行き、ジャーナリストになったジェニファーは素晴らしく立派。

しかし娘は可愛い。娘のためなら「人は変われる」と言った父。
父の言葉を「今度こそは」と何度も信じようとした娘。
自由を求めた父と娘。
その自由の先にあったものは...


ジェニファーを凛として演じきったディラン。容姿はママのロビン似。蛙の子は蛙、演技は決して悪くない。ただ正直な感想としては...無難。飛び抜けた個性を感じられなかった。
弟役をした、こちらもショーンの長男ホッパー・ジャック・ペン(ショーンにそっくり)をもう少し観たかったけど出番はほんの少し。

ペンの演技は申し分なかったです⭐️
カメラワークも流石です。ノスタルジーを感じさせる技巧的な部分など、音楽(70年代アメリカンロック、そしてショパン)のチョイスも👌♫悪いところを探せないほどなんだけど、何かモヤモヤする😶‍🌫️
脇役にはジョシュ・ブローリン、エディ・マーサンと悪い訳がない。妻役はキャサリン・ウィニック。

しかし、なんだろう🤔高スコアは出せない...
なぜこのクリスマス、年末年始に公開した?人々は温かな気持ちになりたい時期。ただただそれが仇になるような気がしてしまう。余韻が暗くどんよりしてしまうので😥と、そんな言い訳をさせないで欲しいかな?

もしせめて5年前に公開出来ていたら?という感じが私は強い。
ショーン・ペン現在62歳。撮影は2年程前だとしても、ストーリー的にもう少し若い時が良かった気がする。15年前の構想であり、ずっと娘ディランに断られ続けたらしいので、温め過ぎたというか旬が過ぎた感じ😒
この題材(観たものの共感を得難い)に拘り過ぎていたのでは?なんだかしっくりと来なかった。

イーストウッドは92歳で現役ですから、ペンはこれからまだまだ多くの作品を世に出すでしょう❗️
決して駄作ではないと思うけど、31年前のデビュー作『インディアン・ランナー』を超えてはいない😔


※ペンは既に前を向いている。2022年2月、ウクライナ侵攻についてのドキュメンタリー映画制作のためキーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と対談している。
ほかにもポーランドのウクライナ難民を救う活動など、勇気ある行動を続けているらしい✊
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