ナツミオ

ストーリー・オブ・マイ・ワイフのナツミオのレビュー・感想・評価

3.6
WOWOW録画鑑賞
【ワールドシネマセレクション】

”信じきることが出来ない愛の形“

余り観たことが無い、ハンガリー作品だが、レア・セドゥの魅力を堪能できる。

現代屈指のフランスの人気女優レア・セドゥが、夫を翻弄する謎めいた妻に扮して不思議な魅力を存分に披露。「心と体と」のイルディコー・エニェディ監督による切なくもほろ苦い恋愛譚。

第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

原題 『A feleségem története』
(ハンガリー語・“妻の話”の意)
英題 『The Story of my wife』

2021年ハンガリー・独・仏・伊作品170分
監督・脚本 イルディコー・エニェディ
製作 モニカ・メーチ エルヌー・メシュテルハーズィ ヨナス・ドルンバッハほか
原作 ミラン・フスト
撮影 マルツェル・レーヴ
音楽 アーダーム・バラージュ
出演 レア・セドゥ ハイス・ナバー ルイ・ガレル セルジオ・ルビーニ ロマーヌ・ボーランジェ 

翻訳者 西村美須寿

(WOWOW番組内容より)
1920年のマルタ共和国。近ごろ体調がすぐれず、妻を持つといいと船医から助言を受けた貨物船の船長ヤコブ(ナバー)。友人とカフェで会話をする中、次に店に入ってきた女性と結婚すると宣言したヤコブは、そこへ現われた美しい女性リジー(セドゥ)にいきなりプロポーズ。2人はめでたく結婚し、幸福な家庭生活を味わうことに。しかし、長い航海で家を空けがちなヤコブは、リジーが自分を裏切って浮気を働くのではないかと心配するようになり……。

(WOWOW解説より)
長編デビュー作の「私の20世紀」で第42回カンヌ国際映画祭のカメラドールを受賞、「心と体と」では第67回ベルリン国際映画祭の金熊賞を獲得したハンガリーの女性監督エニェディが、同国の作家ミラン・フストの小説を映画化。

運を天に任せてカフェで初めて出会った美しい女性にだしぬけに求婚し、相手とめでたく結婚した船長。そんな2人の気になる恋の行方を、妻の浮気を疑う夫の視点からサスペンスフルに描写。現代きっての人気女優セドゥが謎めいた妻を魅惑的に演じ切り、最後まで目が離せない一作に仕上がった。


初、ハンガリー作品。
と思ったら2本目でした。
初は『この世界に残されて』(2019)。
本作のイルディコー・エニェディ監督作品は初‼️

1920年代のマルタを舞台に、レア・セドゥ、ハイス・ナバーの夫婦の愛の物語。

夫婦のどちらにも共感はしづらいが、物語は、夫ヤコブ(ハイス・ナバー)の視点から描かれる。

冗談の様なキッカケで結婚した2人だが、貨物船の船長であるヤコブは長期間家を空けることが多く、次第に妻の浮気を疑い疑心暗鬼となっていく。

“大人の愛の形”というには、中々理解し難い、愛と嫉妬、騙し合い。
離婚の話題も出ながら、別れない2人だが……

第7章までの章立てで区切られており、
そのタイトルが出る度に、その意味を考えながら観た。
その4まではなんとか2人の夫婦は順調な関係だったかも⁈

それ以降は、不穏な展開、不協和音。


(各章のタイトル)
その1
”しかるべき問題解決法とは“

その2
“社交生活の迷宮で”

その3
”舵取りが不能に“

その4
“官能の力とは”

その5
”事実を追い求めて“

その6
“別れの時”

”その7年後“


以下、ネタバレあり

【印象のシーン】
・部屋の遠景から撮ったラブシーン
 隣の部屋から額縁のように見える絵画的な美しさ。

・後半、妻リジーのために陸に上がり生活のために事務仕事を得たヤコブだが、
リジーに外食代をせびられて、
仕事の書類を机から落とされ…
ペンのインク瓶を机の端にゆっくり動かし…
机の端から、ゆっくり落下。
ブチ切れるヤコブが部屋中を壊し始める…
結局、リジーはヤコブの財布から金を抜き取り遊びに出かける。
もう、終わってるよね⁈

・終盤、列車に飛び乗ってリジーを追いかけたヤコブの行動。やる時はやる⁈

・ラスト、7年ぶりに訪れたヤコブが見たリジーの幻影には、未だ未練があったのかもしれない……


ヤコブとドイツ人少女グレーテとのエピソードは尻切れトンボに…
ヤコブは彼女と結婚した方が幸せだったかも⁈少しモヤモヤが残る。

少し長い170分だが、

 ”信じきることが出来ない愛の形“

  を見せつけられ、余韻を残す作品。



【忘備録】ネタバレなし
(キャスト)
・リジー Lizzy
レア・セドゥ

・ヤコブ Captain Jakob Störr
ハイス・ナバー

・デダン Dedin
ルイ・ガレル

・コードー Kodor
セルジオ・ルビーニ

・マダム・ラグランジュ
ロマーヌ・ボーランジェ

・Grete
ルナ・ウェドラー
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