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バケモンのnatsumeのレビュー・感想・評価

バケモン(2021年製作の映画)
3.0
鶴瓶師匠の落語を聴きに行くようになったきっかけは、ドラマ「タイガー・アンド・ドラゴン」で、師匠がやったマクラだけの高座シーンのメイキングがめちゃくちゃ良かったのと、深夜にやってたドキュメンタリー番組。おそらく本作の監督の作品だと思う。

「撮ってもええけど死ぬまで人に見せたらあかん」ということで、肝心の「らくだ」の落語シーンが見られないというドキュメンタリーで、「じゃあ観に行くしかない」と思って、はじめてチケットとって独演会を観に行った。

けど何年か通ってもずっと「らくだ」は演目になくて、その間に「死に神」のネタおろしとか、貴重な舞台も観たけれど、きっかけになった「らくだ」は観ることができず。コロナで見送った去年のツアーが13年ぶりの「らくだ」だったのを知り、涙目で観に行った映画です。

笑福亭鶴瓶、50を過ぎてから古典落語に挑みはじめた、その17年間の記録。鶴瓶密着だけでなく、落語「らくだ」の成立の秘密にも挑む貪欲な作品で、その分やや散漫なところもあるけど、鶴瓶師匠の落語のファンなら見て損はないと思う。途中、ディアドクターの撮影シーンなどもちらっと出てくる。

コロナ禍が早く終息してまた満席の落語会に行ける日がはやく来ますように、と思いつつ。
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