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首のnatsumeのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
2.6
めちゃくちゃお金のかかった風雲たけし城×実録たけし軍団って感じの映画だった。

たけしは定期的にふざけるけど、今回はふざける方の映画なので、真面目な大河ドラマファンとかは「歴史ドラマらしいから…」とかで見ちゃダメなやつ。エンドロールで「撮影時に動物虐待してません」というのが入ったが、動物の中に人間は含まれてない模様。CGも使ってるけど戦さのシーンとか、なかなか過酷な撮影だったのでは。

今年、宮崎駿と北野武という海外映画賞常連組が揃って自叙伝というか私小説的な映画をめちゃくちゃ贅沢なスタッフで撮って公開して、何かそれっぽいことを書かなきゃならない批評家を混乱させてるの、大人気なくてよいと思う反面、一つの時代が終わろうとしてるんだなあ…ということを感じたりもしてます。

たけしの映画では3-4×10月とかソナチネ、あの夏 いちばん静かな海、キッズリターンなんかが好きなのだが、共通しているのは暴力の理不尽さ(暴力とは常に理不尽なものであるということ)と「カタルシスの一歩手前のはぐらかし」だと思っていて、今回もそのへんはいつも通りだった。

逆に言うといつもどおりだったのでスコアは「普通」の評価になった。随所にたけし映画らしいアングルの美しさはあったけど、なんかもう「らしさ」を確かめにいくようなフェーズになってしまっているなぁと思い少し寂しい。

それにしてもたけしは寺島進のこと好きだな…とも思った。寺島進にはカッコいい役やらせますよね。
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