あんじょーら

健太郎さんのあんじょーらのネタバレレビュー・内容・結末

健太郎さん(2019年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

映画の好みって人によると思います。どんな名作と言われる映画でも、嫌いな人は嫌いだと思うし、見ない人は見ないわけですし。でも観た感想は、観たその人のものです。大切にしていいと思う。


映画に点数つけても意味なんてないし、その点数はその人の中だけで普遍的な評価になるわけじゃない。アカデミー賞だってカンヌだって、つまらない作品に賞を与えているし、それなりに良い作品に賞を与えている事も、ある。


でもそれが絶対的な評価じゃない。他人が何と言おうと、好きなものは好きだし、嫌いな作品もある。


監督さんご本人と思われる方(確かめようがない)からオススメして頂きました。同じく証明の使用が無いけれど、私の、今年51歳になる男性の、個人的なこの映画の感想です。全然映画に詳しくないし、基本映画を撮った事も無いし、出た事も無いですし、およそ関係ない世界で生きてて、時々少し映画を観るだけで、全然勉強したわけでもありません。そんな人の感想です。


健太郎さん、と呼ばれる無口な男が何故か住み着いている一軒家。父母と高校生の兄、小学生(幼稚園か?)の妹の4人家族の中に平然と暮らす部外者である無口な健太郎さんは・・・というのが冒頭です。


掴みは上手いと思いました。非常にお上品とは言い難いマナーの健太郎さんの食事シーンは、掴みとしていいです。


ですけれど、ここからその不穏さはいいんですけれど、いろいろ引いてしまいました。


誰も見ていないから、ひき逃げするこの両親、にどう考えても同情出来ないし、健太郎さんがいなくなってからは、それも無かった事にしようとするこの両親の、心底自分の事しか考えてないっぷりに、こいつらが悪党、と思いました。これがサスペンスか?ホラーか?と聞かれたら、この両親の考え方がホラーですよね?


健太郎さんがハンカチを頼りに家を探し当てられたご都合主義的展開は、まぁよしとしましょう、尺も短いわけですし。でもこういう所をちゃんと脚本上で練っておく事は、普通の監督や脚本家さんなら手を抜かないはず。


そしていきなり土下座で許してもらおうとする両親。こいつらは亡くなられた(は庇いすぎた、こいつらが見殺しにした)子供に対して悪かったとか、そういう気持ちではなく、自らの良心の呵責に対してだけ、許してください、と土下座をしている感じが、物凄く気持ち悪かったです。こいつらこそ悪で、こいつらが懲らしめられる話しになって欲しい!と強く意識してしまいました。


なのに、この後この家で暮らす健太郎さんのゴハンの食べ方が急に上品になったりすると、すごくげんなりします。なんだよ思い付きで、衝撃を与える為にやってて脚本的に、落とし込む努力をしてないの?とか思ってしまいました。残念。


そして突然、兄は何を思ったのか?健太郎さんを刺しに行こうとします。まずは警察だろ!お兄さんあなたもクズ人間でしたか・・・それと両親は全然この長男を止めないのな、息子が殺人犯になる事も想像できないし、悲しくならない血も涙もない人間なんだな、と感じました。いや、それどころか息子が殺してくれたら自分の心配事が減って嬉しい、とか考えてるんじゃないでしょうか。本当に気持ち悪い。


と思ったら返り討ち!ここはスッキリしました。


そして、家族と健太郎さんでの食事のシーンに。


え、なんで飛んだの?なんでなんか一件落着風なの?ゼンゼンイミガワカラナイヨ。多分私の頭が悪いからなんでしょうけど。


そして娘の犬食いに突然切れる母。いや、それはしつけとして教えないと無理だし、花瓶というモノに当たる態度は非常に気持ち悪いし、やはりこの人は悪人だな、心底。と思ったところに、何故か花瓶が割れるのではなくビー玉がたくさん散らばる演出。ナンデナンデショウネ?よく分からないけどもしかして床に傷つけるのが嫌だったからなのかな・・・


そしたら突然、健太郎さんが微笑んできて、いきなりエンディング・・・


全然意味が分からなかった・・・私の頭が悪いからなんですけれど、本当に何が言いたいのか?分からなかったです。


最後に1つ付け加えるとすると、、私がセンスが無いからだし、そもそも映画に詳しくないせいだと思うけれど、エンドロールで監督の名前が止まって終わるの、カッコ悪い自意識の漏れ方だな、と感じてしまいました・・・


学生が作ろうがプロが作ろうが、お金をかけようがかけられなかろうが、単純に、好きな映画とそうでもない映画と、あまり興味が湧かない作品に分けると、私の場合は最後のカテゴリーに入ってしまったのですが、これも私の頭が悪いせいですし、センスがないからです。


演者の方は悪くないと思います。