Punisher田中

スパークス・ブラザーズのPunisher田中のレビュー・感想・評価

スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)
4.5
""あの""エドガー・ライトが""あの""スパークスのドキュメンタリーを撮るというすんごい作品。
音楽好きのエドガー・ライトの音楽への情熱やスパークスの音楽に対する姿勢が見られる、雑誌や本からは吸収できない""凄み""が今作にはある。
ドキュメンタリーといって、撮る対象に依存して観客に全て託すというよりも、編集も視覚効果もこだわり抜かれた一本の映画となっていて、スパークスを知らない人でも、知っている人ならより楽しめる作品に仕上がっていて、シンプルに楽しめた。
スパークスは僕自身全く世代ではないが、ちょくちょく曲は耳にしていて、覚えていたらリピって聞く位の距離感だった為、正直今作は置いてけぼりだろうなと思いつつも、フォロワーの方が入門編としても行けるよといった最高のレビューを書いてくれたので挑戦することに。
冒頭でも行った通りシンプルに面白かった。

今作の良い所は、撮りっぱなしではなくて、しっかり観れる物として配慮しながら丁寧に編集がなされている所。
ドキュメンタリーってどうしてもインタビューシーンが続いて絵的につまらなくなる印象だが、イラストだったり映画のワンシーンだったりを取り入れて、インタビューの内容を様々なパターンでわかりやすく表現してくれるから話の内容が入りやすいし、視覚的にも全く退屈しない。
自作品でも様々な楽曲を毎度取り扱っているからスパークスの楽曲を入れるタイミングはお手の物、ここら辺は本当に映画作りの上手さがしっかり出ているなと感じた。

それにしてもスパークス、本当にスゲェ....
クリエイティブ精神もメンタリティも見習いたいけど、何よりも地道に継続する力が突出している。
僕なんか自主制作のグラフィックですら月1でお手上げなのに、彼らはアルバムを25枚、曲数なんかは300曲程も制作しているのがもうわけがわからない。
更にわけがわからないのは、今週の仕事でヘトヘトな僕をたった2時間で「作る」気にさせるほどの元気をくれる、彼らが作る楽曲の強さ。
繊細だけど、ヘンテコで、パワフルな楽曲達がイキイキと輝いている今作、制作秘話や彼らの苦悩・葛藤を見聞きすれば、より楽曲の魅力が増してハマるのでは?
是非、時間があれば多くの人に観て欲しい傑作。
因みに今ではアホみたいにスパークスの楽曲をリピってます😎