クリストファー・リーブ主演の有名ヒーローシリーズ三作目。
やはりリーブ版「スーパーマン」はリチャード・ドナー監督が途中降板した2作目「冒険編」まで、という評価なのかも知らんけど個人的には楽しめた。
レスター監督による「無駄のないストーリーテリングなんて興味ねえよ」と言わんばかりの脱線しまくりスタイルにニューシネマな感じの現実的で冴えないキャラクターたち。一作目が築き上げた精神性と真逆っちゃ真逆なんだけど、イギリス人監督のふざけたユーモアも悪くない。
やっつけで作った「クリプトナイト」でスーパーマンは倒せなかったけど闇落ちさせちゃう展開もよろしい。やさぐれていくクリストファー・リーブがけっこう似合っていた。ピサの斜塔をまっすぐにしたりオリンピックの聖火を点灯する直前に吹き消す、などやることがしょうもなさ過ぎて笑わせてくれる。
まあリチャード・プライヤーに出番与えすぎともいえるけど、ここらもそんな気にならず。アメリカ人のテリー・ギリアムがイギリスにわたって撮った「バロン」でもロビン・ウィリアムズの出番が長かったし、米英が混ざるとコメディアンへの偏愛が生まれがち。