秀ポン

アリスとテレスのまぼろし工場の秀ポンのレビュー・感想・評価

1.0
つまんなかった。
五実と工場長が画面に映る度にイライラしていた。
その2人の出番がやけに多いせいで終始イラついていたので、話の内容は全く入ってこなかった。
ずっと「全員さっさと神機狼に喰われろ」と思いながら見ていた。

特に五実の「無邪気な魅力」を表現するような声やアニメーションがだいぶキツい。
終盤の列車のシーンでやけに聞き分けが良くなっていたのもムカついた。普通に駄々っ子発動させて列車から降りて全部台無しにしろよ。そしたらかなり笑えたのに。

──その他、細かな感想。

変化を許さない街、というのは嘘だろう。付き合ったりして登場人物達の関係が変わってもヒビは発生しない。
実際のところはこの街から逃げたいと思った者が消えていく。1番愛されていた頃の街を保存したい神は、この街を裏切るものを許さない。
ではあのラジオDJになりたかった子(名前知らんけど)と正宗とは何が違うのか。2人ともこの町では叶えられない夢を持ち、外に出たがっていた。しかし消えたのはDJだけだ。正宗がこの街から出たいと叫んでも別に彼の体にヒビは入らない。
これは、正宗は既に未来より何より(この街にいる)睦実が好きになっているってことなんだろう。
都会に出るよりも田舎でずっとセックスしてたいってことすか。そう考えると、どこにでも行けるはずの現実の正宗達も別に街を出ていないという事実は面白い。

(「未来の来ないあの街で、未来へ自分の分身を繋ぐ行為としてのセックスは成り立たず、だから『セックスしてたい』って表現は不適当だ」という揚げ足取りは何もわかっちゃいないので黙っていてほしい。五実を現実に送り出すという行為そのものがそれに相当するし、それを別としても交感としてのセックスは依然としてあの街に残されている)

睦美の「あんたは未来も広い世界も持ってるんだから、正宗くらいは私がもらってくわ」みたいな夫(父親)を巡る母娘の対立は良かった。
しかし、そもそも睦実って未来とかを欲してたの?そこら辺どっかで描かれてたっけ?

虚構の側の視点から現実に働きかけるっていう話は好きなはずなのに、これはマジで駄目だった。
「いずれ破綻する虚構だとしても確かに存在していたのだ」って話は大好きだし、これもそういう終わり方をしてるのにな。
いかんせん描き方がキツすぎる。見るに堪えなくなって目を閉じたの久々だわ。

何度も見たら話が理解できて「いい話だったな」ってなるのかもしれないけど、もう五実のことも工場長のことも見たくないのでこんなもんでいいや。なんか心理描写が繊細でテーマについても深く考えさせられた気がします。はい。
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