yuki

モガディシュ 脱出までの14日間のyukiのレビュー・感想・評価

4.7
ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員と家族の脱出劇。
※実話ベース

緊迫感に締め付けられながら緻密なプロット、絶妙なカメラワーク、秀逸な心理描写&演技合戦に没入させられた。

「ホテルムンバイ」を思い出す銃撃の渦中に放り込まれ、なかなか払拭できない疑心暗鬼と不信を乗り越え、“生きて帰る”目標を達成する意志の輝きが美しい。

“韓国のタランティーノ”こと、リュ・スンワン監督の誠実な仕事に深い感銘を受けた。

◎監督より日本の観客へのメッセージ(パンフから引用):
この映画をご覧になる観客の皆さんには、できるだけ大きなスクリーンで鑑賞することをおすすめします。

互いを憎んでいた韓国と北朝鮮の外交官たちが、内戦が勃発したアフリカのある地域で生き残るために憎悪を止め、力を合わせて生存を選びます。

コロナのパンデミックによって全世界が苦しい時期を過ごしています。
私たちが憎悪を止め、力を合わせたら、この状況からも共に脱することができると思います。皆さん、がんばりましょう。

◎監督が日本の文化で好きなものや影響を受けたもの
ラーメン、丼物をはじめ特に食べ物が好きです!
サムライ活劇とヤクザ映画、アニメーション、柔道や合気道、黒澤明、鈴木清順、宮崎駿、高倉健、三船敏郎、千葉真一、稲中卓球部、ぼのぼの…それ以外にもとても多くて整理できません(笑)
→😵まさかの稲中‼️興味の幅が広い⚡️


印象的なシーンの数々。
ネタバレになるかもしれないけれど自分のために記録。
(鑑賞予定の方は特にスルーしてください🙇‍♀️)





   🏳🏳🏳 ネタバレ💦   🏳🏳🏳



・放射状に並べられた吸い殻。
そこに向かって進む🐢を、咄嗟に取り上げて方向転換
(見事な暗喩)
(参事官カン・テジンは粗暴なまでの直情型な性格だけど、根は優しいことをつたえてくれる描写)

・道路に横たわる亡骸の目から流れ落ちる涙

・食卓
猛烈に空腹でも手を出せない不信との葛藤を経て訪れるエゴマの葉を取るシーン😂
大使の妻同士、さりげなく素晴らしい存在感

・蚊取り線香
ある種、清涼感を覚えるさりげない配慮に心の中を爽やかな風が吹き抜けた🎐

・糖尿病とinsulin
同じ物を食べて生きていることが実感させられた

・ソマリアの反乱軍の子どもたち
ふざけて銃を振り回し“コント”を強要してからの実弾連射😱
でも、あなたたちも下手したら射殺されるのよ?

・「私たちに感謝はあるのか?」
→北朝鮮リム大使、ラストの科白に注目!

・北朝鮮の参事官テ・ジュンギ
どの役者も名演技で存在感があったけれど、やっぱり彼には眼が引き寄せられた。
フラグ立ち続けるけれど、そこは裏切ってほしい!→届かぬ願い🥲
彼のような人にこそ生還してつたえてほしかった😭
(スコアを満点にできなかった理由)
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