ぽち

モガディシュ 脱出までの14日間のぽちのレビュー・感想・評価

2.1
ソマリアを舞台にしながら、ストーリーの中心は朝鮮半島の南北の問題。
その構成はアリなのだが、実話というキーワードを前面に出した売り方には感心しない。

勿論調べてもその真偽は分からないのだが、今作を観る限り「ソマリアから北朝鮮と韓国の人が脱出した」という所以外はほとんどが脚色されていると思える。

というか、資料によれば「近年ようやく事件の顛末が公開された」とあり、それを元にしているのだろうが、その公開された資料自体信ぴょう性が低いので、いっそフィクションとした方が良かっただろう。

内戦により国民全員がテロリストと化した不条理な世界をもっと前面に出したほうが緊張感が高くなったと思うのだが、どうしてもまったりした南北のドラマが来てしまい、物足りない内容。

まして前半のコメディタッチの描写はいかがなものか。

また南北の人間関係を中心としたことにより、ソマリアは単純に「悪者」として処理されていることも疑問が残る。

遠回しな「韓国朝鮮万歳」映画なので、フィクションとしてアクションを楽しむ作品だろう。




余談。
絵に描いたような「ヒャッハー」な世界で、それが現実にあるという所が、本当は一番怖い所なのだが、今作ではそこはかなり軽く流している。

いまだに継続中の内戦で、逆によくこれほど戦争を続けられると思ってしまうが、一回こじれた関係は修復が難しいのだろう。

まして、同族同士の戦いは、感情が先に来てしまうのだろうなぁ・・・


ま、南北朝鮮も同じだからな。
あんたたち、休戦状態でまだ戦争中だよ!ってのが、ツッコミ所か。笑
ぽち

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