ピーターパーカー

異動辞令は音楽隊!のピーターパーカーのレビュー・感想・評価

異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)
3.0
「人間万事塞翁が馬」
この言葉を体現している作品。

刑事一筋で警察人生を過ごしてきた主人公。しかし、昭和然の振る舞いに辟易した部下から内部通報され、追っていた事件の途中で音楽隊に飛ばされる。
なお、この頃は事件のことで頭が一杯で、家族のことなど二の次で、娘との関係性も最悪だった。

当初は音楽隊なんてやってられないという姿勢だったが、次第に仲間とも打ち解けていき、年下に対しても素直に謝ることができるようになり、物腰も柔らかくなって、かつての昭和然とした雰囲気からも脱却することができた。かつての部下から内部通報をしたことを打ち明けられたときも、声を荒けることなどなく、まるで別人のように穏やかになっていた。
関係性がギクシャクしていた娘とも、音楽という共通項を通じて仲を改善していく。

追っていた事件も、何やかんやで解決することができた。

つまり、当初は不服だった音楽隊への配置が、結局は事件の解決、自らの人間性の改善、娘との関係性の修復、というように多方面に渡って好影響を与えたことになる。

まさに、冒頭の言葉通り人間万事塞翁が馬である。