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流浪の月のChipのネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

家庭環境が悪く家出をした10歳の女児(更紗)と公園で出会い、救うために家に呼んだ大学生の男(佐伯文)。更紗は文の家でのびのびと自由に過ごすけれど、世間はそれを女児誘拐事件と判断し、文は逮捕されてしまう。

人は見えるところでしか判断しないし自分の見たいようにしか見ないというのが、映画のあらゆるところで語られる。

更紗の婚約者である亮を演じた横浜流星さんのDV男ぶりが迫真で怖かった。文が営むカフェで更紗の前に現れたところからしっかり目がイってた。髭面で目がうつろ、更紗の新しい住まいで郵便ポストを漁るところとか怖いよ。爽やかイケメンの横浜流星さんが演じているとは思えない…圧倒。

松坂桃李さん、ほんと美しい顔をしているなあ。
映画の中では文の病気のことが詳しく語られていない。文はロリコンではなくて二次性徴が来ない病気を患っていたんだね。
それにしても松坂桃李さんは映画でよく裸になる人だなあ…なんて余計なことを思いながら見てた。

誘拐事件から15年経ち、更紗には亮という婚約者がいて文にも恋人がいる…というのはまあ自然なこと。
文が喫茶店を閉めた後、多部未華子演じる恋人と一緒に部屋に帰るシーンは切なかったな。あ、恋人いるんだよかった、という安堵の気持ちと、更紗が目の前に現れたのに!というもどかしい気持ち。

そしてバイト先のシングルマザー安西さん、りかちゃんを更紗に預けて男と蒸発するとはおいおい正気なのか!?と、これまでのいろんな出来事をぶっ飛ばして驚く展開。

観終わった後も文と更紗のことを考えてしまう。2人が今度こそ穏やかに、一緒に生きていられたらいいな。
原作も読みたくなりました。
Chip

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