とぅん

流浪の月のとぅんのネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

過酷な家庭環境から逃げ出した小学生の更紗と、1人でいた彼女に声をかけて家に連れ帰った文。
穏やかに暮らしていた2人だったが、やがて警察に文は捕まり、更紗とは離れ離れになってしまう。
15年後、2人が再会したことで始まる話。

2人にとっては心安らげる時間だったのだけど、側から見たら間違いなく疑惑の目を向けられる関係性で、正直自分だったらどんな風に彼らを見ただろうと考えてしまった。

結局、2人がまた一緒になるのだけど、ここからの展開がキツくて、周囲の人々や職場、マスコミなんかが寄ってたかって徹底的に2人を追い詰めていくから、観ていて気分が悪くなってきてしまった。
この辺は前に観た「空白」にも近いものを感じたけど、より胃が痛くなるような感じだった。

終盤で、文が抱える問題が明らかになっていくのを期待していたのだけど、自分が失敗作だみたいな事を言うだけで、実際はあまりよくわからなかったな。聞き逃したかな。

解説を読んだりして、繋がれない2人の話だということは何となくわかったけど、ケチャップを拭うシーンが挿入されたことで、実際はどうだったのだろうと惑わされてしまった。
あえてどちらにも取れるような設定にしたのかな。

この題材は「悪人」「怒り」にも通ずるものを感じて、李監督のフィールドだなぁと思ったし、松坂桃李と広瀬すずのダブル主演もかなりの熱演で見応えがあった。
あと、特筆すべきはDV彼氏役の横浜流星で、彼の存在が強烈なスパイスで、間違いなく一皮剥けたなって感じがした。
とぅん

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