にゃーめん

ARGYLLE/アーガイルのにゃーめんのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
3.8
完全にポスター詐欺案件映画で、鑑賞後ポスターを見返して、こんなにも「全然違うじゃん!」となる映画は久しぶり。

実際は、角刈りのヘンリー・カヴィルが画面に映る度に笑ってしまうヘンテコスパイ映画(相棒はまさかのジョン・シナ!)

スパイ小説「アーガイル」の作者がある組織に狙われ、スパイと逃亡する話。

スパイものあるあるでは、一緒に逃亡する側も、ある程度機敏に動ける身体じゃないと話が成り立たないが、本作の主人公、エリー(ブライス・ダラス・ハワード)は明らかにムチムチボディで、逃亡には向かない体型なのも相まって、エイデン(サム・ロックウェル)のイライラが伝わってくる序盤はもっさり展開。
そこに猫のアルフィー(なんと監督の飼い猫だそう!)も加わるので、足手まとい感がすごい。

中盤から明らかになってくる要素として、物書きは、「自分が持っている知識、体験、情報以上の事を、執筆する事はできない」とよく言われるが、それがキーとなるのが本作の面白さ。

ルッソ兄弟製作の「シタデル」(2023年・アマプラのドラマシリーズ)の脚本とうっすら似てる設定のような気もしつつ、主人公とエイデンの関係性が明らかになってからの展開は、なんともロマンチック。

サム・ロックウェル好きとしては、こんなにサム・ロックウェルのダサさもカッコ良さも両方堪能できる贅沢な映画を撮ってくれてありがとうと言う気持ち。
(予告トレーラーを観てもピンと来なかったため、配信スルーしようかと思っていたが、映画.comのキャスト欄の2番目がサム・ロックウェルだったため映画館での鑑賞を決めた)

見どころは、序盤のダンスシーンの伏線回収を、思いっきりふざけた形で実現した終盤のガンアクション。
弾道がハートの形になるとか、そのアイディアは一体どこから湧いてくるのか😂
マシュー・ボーン監督お得意の、おバカなことを200%の力で描き切る演出に涙が出るほど笑ってしまった😂
ここだけもう一度みたい。

んな訳あるかい!な、ガンアクションのおバカアイディアとしては、ジョン・ウィック超えかと。極め付けは、イナバウワー⁈⛸️(ネタが古い)
全世界のフィギュアスケーターから総ツッコミ入りそうである。

ここまでコメディに振り切ったポップコーンムービーをしばらく観ていなかったので、頭を空っぽにして楽しめた。

エンド後映像あり。『キングスマン』ファンにはお馴染みのあのマークが出てきて「!」となるなど。
Apple TV+で「アーガイル」のドラマシリーズとしてスピンオフがあるなら是非観てみたい。
にゃーめん

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