岩嵜修平

ミラベルと魔法だらけの家の岩嵜修平のレビュー・感想・評価

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)
4.1
最初から最後まで素晴らしかった!後半は失速しがちなここ数年のディズニー関連作でベストでは。キャラの表情や動き、魔法のスペクタクル、色彩など、アニメ表現としても最先端な上にドラマが見事。『ズートピア』チームだからこその多彩さ。ミュージカルとしても一級品。

持つ者と持たざる者の話で、ギフト(=才能)としてプラスに捉えられがちな魔法(能力)を、現代における呪いと捉えて、家族一人一人が持つ呪いを解いた上で、更に、その呪いが呪いたる根源を解いていくという。誰しもに地獄がある中で、社会みんなで協力して、その地獄を捉え直そうという素晴らしさ。

後半、嗚咽に近い泣き方をしてしまったのだけど、リン=マニュエル・ミランダの音楽力がありつつも、やはり、家族の中での"はぐれもの"たるミラベルとブルーノの変化に泣かされた。コロンビアを舞台に、現代ヒスパニックの音楽の多様さを活かした音楽遣いと、しっかりシーンに合う曲調。完璧な構成。
岩嵜修平

岩嵜修平