やた

ミラベルと魔法だらけの家のやたのレビュー・感想・評価

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)
3.5
ミラベルがとても良い子で強くて愛情深いから応援したくなったし、感情移入できるように描かれていて、「持たざる者」である彼女に寄り添ってつらい気持ちになったり使命感を抱く構成になってたけど、「持てる者」のつらさもきちんと描かれていたのがすごく良かった。
力持ちだと認識されていたら弱いところを見せられないし、完璧だと認識されていたら汚いところを見せられない、他者が望む自分でい続けなければいけないけど、その努力すら「持てる者」の力だと思われてしまう。
おばあちゃんやブルーノだけじゃなく、二人の姉とミラベルの関わりがとても印象に残った。

おばあちゃんもミラベル目線からすると冷たいし怖いし話聞いてくれない人に見えるけど、めちゃくちゃ重い責任をしょってて、そうそう責任感が強いとこういう風に暴走しがちだよな…と思った。

自分としては、家族とはいえ結局違う人間の集まりだから分かり合えないところがあったり苦手だったりするのは当たり前で、家族が集まることこそ奇跡!とか家族は愛に溢れてる!とかの思想には全然共感できない。仲が良い家族がいるとしたらたまたま相性が良かったか、努力しても関係を良好に保ちたいメリットがあるかのだいたいどっちかだと思ってるので、家族愛的な要素は特にハマらなかった。
けど、家族の中にとても大事に想える人がいるということは幸福だし奇跡だということはわかる。
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