やた

バービーのやたのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.2
公開当時、早く観たいと思ってたところをバーベンハイマーの件で映画館まで行く気をなくしてしまい、とはいえ配信で観れるようになるのをけっこう楽しみにしていた作品。
でも全体的に、誤解を恐れるあまり説明過多になってテンポが悪いというか、自分が好きなエンターテイメントの形ではなかったな〜。

バービーが人間界でリアル女子たちと出会ったシーン、「何かに力を与えようとする者が逆に対象を阻害している状態」ってけっこうあるよなと思ったし、そうならないように気をつけるのってけっこう難しい。

日本はさんざん女性の社会進出が遅れてると言われてるけど、マテル社で女性向けの商品開発を男性ばかりで話し合ってるシーンがあるところを見ると、結局だいたいどこの国でもこんなもんなのか?と思った。
男性の存在感が薄い世界にいたケンが、男性が活躍する世界にテンションが上がるのは自然だしなるほどなと思ったけど、あまりにも終盤までの男性の描き方がバカっぽ過ぎて...特にマテル社での追っかけっこはかなりキツかった。
コメディシーンだしデフォルメしてるのはわかるけど、何かを上げるために片方を下げる描き方をしているように感じた。
最後まで観ればそういう受け取られ方は本意ではないことがわかるけど、かなり分断を煽る描き方をしていてしんどいところが結構あった。

でもガールズナイトは女性だけで盛り上がるのに、ボーイズナイトにはビールを運んだり踊る女性がいるところは笑った。確かにこういう人いるし少なくはない。

「恋愛エンドが答えじゃない」
「装飾品でもパートナーでもなく、自分自身が何なのか考える」
あたりのメッセージは良いなと思ったけど、印象として「話してるだけ」のシーンが多い!
伝えたいことがいっぱいあるし、価値観を作品の中で変化させていかないといけないし、誤解されるのは避けたいし...という作り手の思いはすごくよくわかるけど、このファンシーな世界観の中でちょっと退屈なシーンが多いのはもったいないなぁと感じた。

前情報として全然知らなかったので「セックスエデュケーション」の3人が出てたのがめちゃ驚いたし嬉しかった〜!!それに気づいた時が一番テンション上がったかもしれない。
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