方眼

スーパーマン ディレクターズ・カット版の方眼のレビュー・感想・評価

4.2
2000年ディレクターズカット。3部構成、第1部クリプトン星。コスチュームプレイ、聖書映画やローマ映画のマナー。ミニチュアと合成、大スペクタクル。第2部は大西部の田舎町。舞台は一転して地球、ロングショットで牧場・空・雲・太陽の光が美しい。グレン・フォードの父が西部開拓ものの趣き。田舎から都会へ出る若者の青春篇。第3部メトロポリス・デイリープラネット社。都会の喧騒、働く人々、スピード。ホークスやワイルダー風のラブコメディ、リーヴもケーリー・グラントを参考にカメラ目線。スーパーマン活躍からは「都会にスーパーマンが出たら」のコントの積み重ね。ロイスも倒れるし、オフィスで働く人は見ているものを信じがたいし、航空機のパイロットは”とにかく俺を信じて外を見るな”と名セリフ、猫を助けられた少女は親にひっぱたかれる。デイリープラネット社の入り口に大きな地球儀があり、ロイスとケントはそこをぐるっと周って外に出る。最初の活躍、ヘリ救出はミニチュア特撮だけかと思ったら、実物大模型も壊して贅沢。ケントがロイスの帽子を拾って上を見上げて危機に気づき、一歩踏み出すタイミングで、テーマのイントロ、活躍への助走。ルーサー周りは、007の悪役をマンガっぽくして「八十日間世界一周」の感じ。主演二人のキダーとリーヴがかわいくポップ、この感じは、気づかないラブコメとSFアクションの共存としてBTTFに受け継がれる。そう考えると、窓の外をスーパーマンが飛行して、ビル内の女性たちがガラス越しにキャーというところ、街角のダイナーと同じ。「十戒」「ベン・ハー」など聖書映画の”聖人の位置は画面左上の法則”に従い、スーパーマンも結構、左上に位置づけて撮っている。ロイスとのキスはラブコメ定番のお預けで、テッシュマッカーとスーパーマンはキスするのも良い。てことはあの隊長と間接なのか。
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