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ブルー・バイユーのkassyのレビュー・感想・評価

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)
3.0
試写会にて
上演前ゲスト:田村亮

アメリカの養子問題を描いた作品
ジャスティン・チョンが監督脚本主演を務める。
"ブルー・バイユー"とは青い入り江のこと。アリシア・ヴィキャンデルの歌唱シーンが非常に印象的だ。

主人公は前科はあるものの我が子の出産を控え、義理の娘とも仲良く慎ましやかに暮らしていた。しかし30年以上前の書類不備により国外追放の憂き目に遭うことに…

アメリカの移民問題、特に今回は韓国出身が主人公でベトナム出身の登場人物も出てきてアジア系の色を強く打ち出している作品だ。

主人公が理不尽な目に遭うのだが、主人公が色々と複雑で移民の難しさを感じさせる。
素直に応援できない部分も多く、感情移入もしにくい。

感情移入をわざとさせたくないのか、ストーリーを魅せるよりもその光景をただ撮っているだけに感じられた。ひどく落ち着かない撮り方で全体的に不安定だ。

とりわけ個人的に気に入らないのがラストシーンだ。明らかにこの画を撮りたいがために作品が作られたかのような印象を受ける。
大人の理不尽さに子供が巻き込まれて見せ場を作られている。
こういうやり方は気持ちが悪い。

主人公は最善を取らない。取ることができない。それは仕方がない。
しかしアリシア・ヴィキャンデルはなぜこんな男がいいんだろう?と思ってしまう。

その他にも、急に性格が変わる元旦那の描き方が雑すぎるのが気になる。

現実として沢山の人々が国外追放されている現状に一石を投じるための作品だと思うし、その問題に関してはやりきれないが、本作に関しては作り方がやや乱暴で雑だなぁという印象だった。
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