どうも限りなく自主制作に近いような作品のようだ。監督・キャラデザがランドロウってペンネームの人だって。変な名前…。制作もフラットスタジオって聞いたことのない所だ。
このランドロウって人、君の膵臓をたべたいのキャラデザもしてたのか…膵臓のキャラはぶっちゃけて何の面白みもないと思ってたのだが、今作は悪くなかったかな。
というか膵臓に比べて今作は色彩を抑えた画面構成なのが、絵柄と上手くマッチしたと思う。
この規模の制作体制のアニメ映画としては凄い良く出来ていると思う。
40分程度の中編だが、尺に見合った内容だと思った。
悩める3人の高校生が幽霊がいるという噂を元に集まるという話。
そして実際に現れた女の幽霊は癒やし系で全然怖くない。幽霊との邂逅をきっかけに3人が自分らの悩みと向き合っていくという展開。
主人公の少年は成績優秀だが、窮屈な受験よりもホントは絵を描きたいと思っている。多分監督が自身を一番反映している、自分の理想像のようなキャラクターだろう。
更にいじめられている少女、病気で余命幾ばくも無い少年。彼らは隠された幽霊の遺体を探す事で一致団結する。
センチメンタル系の作風は昨今の新海イズムも含めてスィーツ系路線だ。
当然今後は長編を作りたいのだろう。今作はそれなりに見応えもあったが、今の作風でそのまま長編はまだ課題も多いと思う。（でもそれは新海も同じだった）
脱スィーツを果たし、監督の個性あふれる大作が作れるように応援したいな。その可能性を大きく感じさせた1本。
