藍紺

イン・ザ・ベッドルームの藍紺のレビュー・感想・評価

イン・ザ・ベッドルーム(2001年製作の映画)
4.0
トッド・フィールド監督デビュー作、やっと鑑賞。

一見幸せで何不自由なく暮らす家族にも小さな火種は存在していて、終始不穏さが付きまとう。そして火種を消火するタイミングは何回もあるのだが全てが華麗にスルーされ最悪の事態がおこる。人間の複雑さを描いているところは「リトル・チルドレン」と重なりテーマは共通していると思うが、あちらに感じたのがトッド・フィールドの優しさならこちらは厳しさ…かな。悪に対する姿勢が真逆な気がした。

ラストの解釈も意見が分かれそう。今もずっと考えてるけど、うーん……、あの時マットは何を考えていたんだろう。でもこういう答えがない結末は凄く好き。冒頭のロブスター漁の話や教訓めいた詩の引用とかも人生についてあれこれ考えたくなる。シシー・スペイセクが抜群に素晴らしかった。

個人的に大好きなトッド・フィールド監督、彼の次回作をやっぱり期待してしまう。ずっとずっと待ってるから引退はしないでほしいな。
藍紺

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