Maoryu002

ミルコのひかりのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ミルコのひかり(2005年製作の映画)
4.1
1970年、10歳のミルコは事故で視力を失い、全寮制の盲学校に入れられ厳格な規律に縛られるが、録音装置を手にしたのをきっかけに音の世界に興味を持つ。やがて音を使った演劇を作り始めるが、校長は決まりを守らないミルコを退学させようとするのだった。

光を失ったミルコが最初に持った感情は強い怒り。
でも、そのエネルギーを創造性に切り替える力を持っていたことが素晴らしい。きっかけを作ったフランチェスカやジュリオ神父の存在も奇跡的だ。

終盤のデモとか神父の反乱は唐突感あったけど、めちゃくちゃ美しい物語だった。
ついでにミルコの初恋もまた甘酸っぱく微笑ましい。

想像力や個性を伸ばしてあげることの大切さを痛感するし、人と違うことは欠点ではなく長所になりうるということが伝わってくる。
校長の言うとおり規律も大切だけど、そこに固執してはいけない!

インクルージョン、ダイバーシティが叫ばれているけど、“盲人には選択の自由も可能性もない” なんて悲しいセリフがなくなるように、この映画はすごくいい題材になるんじゃないかな。
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