ソラアユム

呪呪呪/死者をあやつるもののソラアユムのレビュー・感想・評価

4.0
題名:呪呪呪/死体をあやつるもの
鑑賞日時:2024年3月17日
鑑賞方式:Amazon Prime Video
評価:4.0(MAX5.0)

『死体が人を殺したんだ…』


□2024年50本目

□死体による殺人事件の真相に迫るホラーサスペンス

呪詛師 vs 巨大製薬会社の闘いは蓋を開けてみれば権力者 vs 社会的弱者という韓国のお家芸の作劇で、両者の立て方の手際も良い。今作はドラマシリーズの続編ということもあって、ドラマ版を見ていないと人物の相関関係などについてはややハテナな側面もあるが、初見勢でも十分についていける親切設計なのは有難い。

ヨン・サンホといえば『新感染』でも魅せてくれた脅威から逃げる=命を懸けた鬼ごっこの疾走感が見事だと思うのだけれど、今作でも監督の長所が遺憾なく発揮されている様に思った。中盤の大見せ場であるグレートパーカー集団=死体人形が製薬企業本社に攻め込んでくる様は圧巻。人海戦術と体のある部分を損傷しなければほぼ不死身というゾンビさながらの特性を活かした死体人形が四方八方から製薬会社の役員の命を狙いに来るという異様な光景には映画的なダイナミズムと共に可笑しさも同居する。鬼ごっこからカーアクションへの移行も実に手際が良くアクションの引き出しの多彩さにも目を見張る。

□まとめ
馬鹿馬鹿しい要素が現実社会にひょっこりと頭だけ出してくるような作品は大変好みだった。欲を言えば、呪術バトルをもう少し見たかった(ドラマの方に期待かな?)。


以上