ぎー

猿の惑星:創世記(ジェネシス)のぎーのレビュー・感想・評価

3.5
【猿の惑星リブート特集1作品目】
・SFのポップコーンムービーだと思って鑑賞すると大ショックを受ける、重厚なよくできた映画だった。
・動物愛護とか動物虐待について考えさせられた。
・人間の主人公ウィルも猿のボスのシーザーも根っこは善人。なのに戦わなきゃいけなくなってしまう。それは人間と猿のコミュニケーションが圧倒的に不足しているから。どうして世の中から戦争がなくならないのか見せつけられた気がした。映画が進んでいくにつれてどんどん悲しい気持ちになった。

・アルツハイマー治療薬は夢だよね。最近も開発されたっていうニュースがあったけど、結局日本では認可されなかった。大勢の人々が苦しんでいる。多少無茶しても開発しようとする主人公ウィルの気持ちはよく分かるな。
・凶暴化した雌猿は滅茶苦茶怖かった。本当は身籠っていた子供を守ろうとしただけなんだよね。コミュニケーションが取れないと力に訴えてしまう。僕ら人間は喋れるんだからコミュニケーション取ろうとしないと。
・子供のシーザーの知能の発達は驚異的。映画だって分かってるのに、ビックリした。
・ウィルと獣医のキャロラインを繋いだのもシーザーだったからな。シーザー凄いな。
・シーザーがウィルの父親をトラブルから守ろうとして保健所に捕獲される場面はあまりにも辛かった。シーザーは人を傷つけようとしたわけじゃなくって、ウィルの父親を守ろうとしただけなのに。でも、現実に保健所に捕獲されてる動物たちも同じ状況の事ってきっとあるんだろうな。
・僕らは人間なのに、施設での管理人の扱いには怒りしか覚えなかった。現実世界の保健所の状況知らないけど、こんな感じじゃないと良いな。
・知性をフル活用してあっという間に猿のリーダーになるシーザー滅茶格好良い。
・そりゃあウィルの父親の成果を知ったら製薬会社も開発に許可出すよな。歴史に名を残す薬になるし、絶対。
・製薬会社で薬投与されたチンパンジーのコバは気になるな。あの身体を見るに相当人間にキツイことされてきたんだろうし。かわいそうだけど、不気味な感じがした。
・施設に引き取りに来たウィルをシーザーが拒絶する場面は本当に悲しかった。シーザーはウィルを単純に拒絶したわけじゃなくって、自分を守れるのは自分しかいない、仲間の猿たちを守れるのは自分しかいないって悟ったんだよね。
・シーザーは終始頭が良かったけど、薬を盗んで仲間を覚醒させるのは凄過ぎた。
・ゴールデンブリッジでの戦いでのシーザーの冷静な指揮は素晴らしかった。
・ラスト、森の中でのウィルとシーザーの別れは、もう悲しみはなくって、別々の道を行くしかないって僕らも受け入れることができた。

⭐︎1番印象に残ってるシーンはシーザーが施設に収容される場面。僕らはすっかりシーザーに共感してしまっている。だから、施設の不潔さ、エサの酷さ、放水銃や電気ショックなどの虐待があまりにも非道いものに感じた。でもそれはきっとシーザーに共感できていたからこそ強く感じたんだと思う。動物たちがこんな扱いを受けることを許しちゃいけないって、強く思った。
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