ナツミオ

巴里の屋根の下 4K デジタル・リマスター版のナツミオのレビュー・感想・評価

4.0
NHK-BSPプレミアムシネマ録画鑑賞
4Kデジタルリマスター修復版

初、ルネ・クレール作品‼️
今まで観たロマコメで1番古い作品。
当時のパリの下町を舞台に繰り広げられる人々の悲喜交々が興味深い。

フランスの名匠ルネ・クレール監督のトーキー第1作。
古き良き時代のパリの下町を舞台に、そこに生きる人々の暮らしを、愛情を込めてほのぼのと描いた人情喜劇、ロマコメの名作。ミュージカル映画としてジャンル分けされることも⁈

原題 『Sous les toits de Paris』
英題 『UNDER THE ROOFS OF PARIS』

1930年仏作品モノクロ
監督・脚本 ルネ・クレール
音楽 アルマン・ベルナール ラウル・モレッティ
主題歌 アルベール・プレジャン
「巴里の屋根の下」
撮影 ジョルジュ・ペリナール ジョルジュ・ラウレ
出演 アルベール・プレジャン ポーラ・イレリー ガストン・モドー エドモン・T・グレヴィル

日本語字幕 川田菜保子

(NHK番組内容より)
街角で歌いながら楽譜を売る青年アルベール(プレジャン)は、美しい娘ポーラ(イレリー)に一目惚れする。
悪漢フレド(モドー)が強引にポーラを口説くのをみて諦めようとするアルベールだが、ひょんなことから2人の仲は急接近する……
テーマ曲や音響が効果的に使われ、天才美術監督ラザール・メールソンが作り上げた街並みも魅力的な名作。

サイレント映画からフランス映画界において最も注目されているルネ・クレールの第1回トーキー作品、仏映画でも本格的トーキーの第1作であり、クレール自ら原作・脚色・台詞を執筆。

美術は、ロシア人のラザール・メールソンが、撮影所にパリの街並みを再現。
セットだったんですネ!

かなり古い作品だったが4K デジタル・リマスター版なので観やすかった。

オープニングとエンディングで映されるパリの街並み。屋根の上に突き出た煙突が並ぶ下町の景色。俯瞰から街角で歌う主人公アルベール(プレジャン)へ寄っていき歌声が徐々に大きくなる、”音の遠近法"⁈

主題歌の「巴里の屋根の下」は主人公プレジャンが歌い公開後、レコードが大ヒット。アルベール・プレジャンは、シャンソン歌手として世界的な人気となったそう。

そこで暮らす人々の悲喜交々、街角で歌いながら楽譜を売るアルベール・プレジャン、親友で露天商のルイ(グレヴィル)、暗黒街の顔役フレッド(モドー)、そして3人が惹かれるルーマニア出身の女性ポーラ(イレリー)。
そしてアルベールとルイの友情。

1920〜30年代初期のパリの庶民のファッション、髪型、街並みやカフェなども観ていて楽しい‼️

意識的にセリフを厳選し、音楽を全面に押し出し効果的‼️
そして、ガラス越しで会話が聞こえなくなり、身振り手振りや表情で会話を推測させる様なシーンなど、実際のセリフが極端に少ないのが印象深い。

小物もコミカル、シリアス両シーンで効果的に使われる。
・楽譜  
…アルベールの飯の種、ポーラとの出会い

・サイコロ
…ポーラの不機嫌な顔⁈

・鍵
…皆んな鍵を裸で持ち歩く。すぐ無くしそう⁈

・タバコ
…1本を2人で分ける

・ワイン
…溢れても注ぎ続ける

・ナイフ
…色々なナイフを試すがお気に入りが無い⁈

・拳銃
…プレジャンのピンチに…

・謎の鞄
…重そうな中身は⁈

・レコード
…同じところを何度も繰り返す。

終わった後も、『巴里の屋根の下』のメロディを口ずさみたくなる名作でした‼️



【忘備録】少しネタバレあり
キャスト
・アルベール Albert
  路上の歌手で歌譜売り。
- アルベール・プレジャン

・ポーラ Pola
  ルーマニア出身の若い女性。
- ポーラ・イレリー

・フレッド Fred
  裏町のゴロツキ。
- ガストン・モドー

・ルイ Louis
  アルベールの親友。露天商。
- エドモン・T・グレヴィル

・Bill
- ビル・ボケッツ

・Un Client
- ポール・オリヴィエ
ナツミオ

ナツミオ