このレビューはネタバレを含みます
レプリカントとブレードランナーそれぞれの特性が分かりにくいし、ストーリーも強引なところがある一方で退屈を感じる場面もあり、正直あまり面白くないなと思ってしまった。ただ、終盤は良かった。
世界観は素晴らしいの一言。東洋の要素があちこちに見られる雑然とした未来都市、降り続ける雨、明滅する人工の光。おもちゃが大量にあるセバスチャンの部屋もいい。それを支えるヴァンゲリスの音楽も良かった。
終盤に来てやっと「面白い」と思えたのは、ルトガー・ハウアー演じるバッティの存在感によるところが大きい。余韻を残す終幕も好き。逆にデッカードやレイチェルにはあまり興味を持てなかったんだけど、監督が主役を描こうとしているように感じないんですよね。「ブレードランナー」ではなく、ブレードランナーの視点を通して「レプリカント」にフォーカスを当てているのだと思います。
ただ、デッカードがレプリカントである可能性は高そうなんだよな。自分でテストを受けたことがあるかというレイチェルからの問いへの回答がない点から見ても、そうとしか思えないけども……。