ユースケ

ブレードランナー ファイナル・カットのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

完全主義者リドリー・スコットは【ディレクターズ・カット/最終版】で満足する事はできなかった。2007年、撮影ミス、編集ミス、特殊効果をデジタル技術で修正し、映像と音楽をクリアに仕上げ、ディテールにこだわった【ブレードランナー】の完成型【ファイナル・カット版】を誕生させたのであった。

注目すべき修正ポイント
・ブライアント(M・エメット・ウォルシュ)が話す逃亡したレプリカントの数を、デッカード(ハリソン・フォード )が追う残り4体のレプリカントの数に合わせて6体中1体死亡から6体中2体死亡へ修正。
・絶命したロイ・バッティ(ルトガー・ハウアー)からハトが飛び立つシーンを、前後のシーンとの連続性を持たせるために晴天から雨天へ修正。

【ファイナル・カット版】は、あくまでリドリー・スコットの考える【ブレードランナー】の完成型であって、観客は好きなバージョンを選び、好きなように解釈して楽しめばいいと思います。幾通りもの読み方が可能なところに【ブレードランナー】の魅力があるのだから…なんて格好つけておきながら、オススメはこのバージョン。文句の付けようがありません。

【ワークプリント版】【オリジナル公開版】【完全版】【ディレクターズ・カット/最終版】【ファイナル・カット版】の5つのバージョン、長編ドキュメンタリー【デンジャラス・デイズ:メイキング・オブ・ブレードランナー】、そして、全ての謎を解明する未公開シーン集が収録された【ブレードランナー 製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション】で【ブレードランナー】の本質を感じましょう。

未公開シーン集に収録されている「私たちは、つがいになるべくして作られたのね」というレイチェル(ショーン・ヤング)のセリフはタイレル博士(ジョー・ターケル)の計画を証明し、デッカードがレプリカントである事を証明する危険な映像なので心してご覧ください。